小型無人機等飛行禁止法の2026年改正とは|1,000mへの拡大・罰則新設・対象施設をまとめて解説
結論: 2026年の改正(令和8年法律第47号)で、小型無人機等飛行禁止法の対象施設の周辺で飛行が禁止される範囲が「おおむね300m」から「おおむね1,000m」に広がりました。あわせて、これまで直接の罰則がなかった周辺地域(イエローゾーン)の上空での違反にも、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が新設されました。防衛関係施設と指定空港には、2026年7月14日から新しい範囲が適用されています。
こんな方向けの記事です: 沖縄などの米軍・自衛隊施設の近くでドローンを飛ばす予定があり、2026年の法改正で何が変わったかを確認したい方。目次から、気になるところだけ読んでも確認できます。
執筆:阿左見雄大(阿左見行政書士事務所 代表・一等無人航空機操縦士)。警察庁・防衛省・国土交通省の公式情報をもとにまとめています。
この記事でわかること
- 小型無人機等飛行禁止法とはどんな法律か
- 2026年改正の2つのポイント
- 対象となる施設の種類
- 飛ばしてよい場合(例外)と通報
- 罰則と、警察官などがとれる措置
- 航空法との違い
小型無人機等飛行禁止法とは
正式には「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」といいます。国の重要な施設などの上空と、その周辺の上空で、ドローンなどの飛行を原則として禁止する法律です。
航空法とは別の法律で、所管も手続きも異なります。航空法の許可・承認を持っていても、この法律の手続きは別に必要です。
2026年改正の2つのポイント
ポイント1:周辺地域が1,000mに拡大
対象施設の敷地・区域と、その周囲おおむね「300m」だった周辺地域が、おおむね「1,000m」に広がりました。防衛省は、対象防衛関係施設の新しい周辺地域を2026年7月14日から適用すると発表しています。国土交通省も、同日から適用される8つの対象空港を指定しています。
ポイント2:周辺地域での違反にも罰則
これまで、敷地・区域の上空(レッドゾーン)での違反には直接の罰則がありましたが、周辺地域の上空(イエローゾーン)については、警察官などの命令に従わなかった場合などに限られていました。改正で、イエローゾーンでの飛行禁止の違反にも直接の罰則が設けられました。
改正前と改正後を比べると、次のとおりです。
| 項目 | 改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 周辺地域(イエローゾーン)の範囲 | 敷地・区域の周囲おおむね300m | 敷地・区域の周囲おおむね1,000m |
| イエローゾーンでの飛行禁止の違反 | 直接の罰則なし(警察官などの命令に従わなかった場合などに限られていた) | 6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金 |
対象となる施設の種類
警察庁の資料では、次の施設が対象として挙げられています。
- 国の重要な施設等:国会議事堂等、内閣総理大臣官邸等、危機管理行政機関、最高裁判所庁舎、皇居・東宮御所、対象特別要人の所在する施設、政党事務所
- 外国公館等:大使館等、外国要人の所在する施設、国際会議の会議場施設等
- 防衛関係施設:自衛隊施設、在日米軍施設
- 原子力事業所
- 空港:国土交通省が指定した新千歳、成田、東京国際(羽田)、中部国際、大阪国際(伊丹)、関西国際、福岡、那覇の8空港
具体的な施設と範囲は、警察庁・防衛省・国土交通省などが公表している指定の告示や地図で確認できます。
飛ばしてよい場合(例外)
周辺地域(イエローゾーン)では、次のいずれかにあたる場合に限り飛行できます。
- 対象施設の管理者、またはその同意を得た人による飛行
- 土地の所有者などが、その土地の上空で行う飛行(同意を得た人を含む)
- 国または地方公共団体の業務として行う飛行
防衛関係施設と空港の敷地・区域の上空(レッドゾーン)では、1の施設管理者の同意による飛行だけが例外になります。
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飛ばす前の通報
例外にあたる場合でも、飛行の前に都道府県公安委員会などへの通報が必要です。指定空港については、国土交通省が、空港管理者、都道府県公安委員会、海域を飛ぶ場合は管区海上保安部長へ、飛行開始の48時間前までに通報するよう案内しています(災害など緊急やむを得ない場合を除く)。
沖縄県警察も、飛行を開始する48時間前までに、管轄の警察署を経由して沖縄県公安委員会へ通報するよう案内しています。
罰則と、警察官などがとれる措置
警察官などは、違反者に機器の退去などを命じることができ、やむを得ない場合は、飛行の妨害や機器の破損などの措置をとることもできます。海上保安官、皇宮護衛官、施設警護自衛官、空港管理者なども対処できます。
罰則は次のとおりです(警察庁の資料による)。
- レッドゾーンでの飛行禁止の違反、または措置命令への違反:1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
- イエローゾーンでの飛行禁止の違反:6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(新設)
航空法との違い
| 項目 | 航空法 | 小型無人機等飛行禁止法 |
|---|---|---|
| 対象の機体 | 100g以上の無人航空機 | 重さで対象を分けていない(100g未満も対象) |
| 手続きの相手 | 国土交通大臣への許可・承認申請 | 施設管理者の同意と、公安委員会などへの通報 |
- 対象の機体:国土交通省も、指定空港の周辺では重量や大きさにかかわらず禁止と案内しています。
- 両方が必要な場合がある:たとえば那覇空港の周辺では、航空法の空港周辺の許可と、小型無人機等飛行禁止法の同意・通報の両方が問題になります。
沖縄では特に影響が大きい
沖縄県内には在日米軍施設と自衛隊施設が本島から離島まで多くあり、那覇空港も指定空港です。範囲が約3倍の距離に広がったことで、これまで規制の外だった場所が新たに範囲に入っている可能性があります。飛ばす前に、必ず最新の地図で確認してください。
→ 沖縄の対象施設と、沖縄防衛局への同意申請の手順は:沖縄の米軍・自衛隊施設周辺は1,000mに拡大
よくある質問
Q.改正はいつから適用されていますか?
A.防衛関係施設と指定空港は、2026年7月14日から新しい範囲が適用されています。その他の施設の適用状況は、指定の告示で確認してください。
Q.100g未満のドローンも対象ですか?
A.重さで対象を分けていないため、100g未満のドローンも対象です。
Q.航空法の許可があれば飛ばせますか?
A.いいえ。施設管理者の同意などの例外にあたることと、事前の通報が別に必要です。
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→ 関連記事:沖縄のドローン許可・手続き完全ガイド / ドローンの飛行許可・承認とは?
出典(2026年10月16日確認)
- 警察庁「小型無人機等飛行禁止法」令和8年改正資料 https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/pdf/r8_kaisei.pdf
- 警察庁「小型無人機等飛行禁止法の概要」 https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/pdf/gaiyou2025_2.pdf
- 警察庁「小型無人機等飛行禁止法に基づく対象施設の指定関係」 https://www.npa.go.jp/bureau/security/kogatamujinki/shitei.html
- 防衛省「小型無人機等飛行禁止法の改正に伴う対象防衛関係施設に係る対象施設周辺地域の範囲の変更について」(令和8年7月3日) https://www.mod.go.jp/j/press/news/2026/07/03b.html
- 国土交通省「小型無人機等飛行禁止法に基づき小型無人機等の飛行が禁止される空港の指定」 https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk2_000023.html
- 沖縄県警察「小型無人機等飛行禁止区域のおしらせ」 https://www.police.pref.okinawa.jp/docs/2026070900017/